52、前 川(まえかわ)

52、前 川(まえかわ)
   2008年頃まで前川という川が武蔵大和の駅前を流れていました。(今は暗渠になっています)、この川は二つ池を水源として東村山で北川と合流し二瀬川となり柳瀬川に合流しています。   
   前川という名前はいつ頃付けられたかはわかりませんが、廻田町(東村山)の古い地名に後田(うしろだ)と言うところがあり(今の多摩湖町のあたりの地名のようですが)、そこを流れる川を後川(うしろがわ)と言い、その対比で丘陵の南を流れる川が前川と言ったのではないかと考えられます。 
   なぜ南が前かは、家の建て方などで南を前にして建てることなど、生活習慣からでた事ではないかと思います。   
   前川は狭山田んぼ(今の湖畔3丁目の住宅のあたり)に水を供給していました。 かなりの水量があり川に沿った家では堰を作って洗い物などをしていました。 また、ウナギが採れたという話もあります。 今は、三面コンクリートと暗渠で昔の面影はありません。   
    この川は、 過去にもうひとつ大切な役割がありました。 村山貯水池から武蔵野市の東京都水道局境浄水場に水を送るトンネル(隧道)が今の狭山緑道の地下にありました。 今の前川に架る隧道橋の北側でトンネルを開渠にして余水吐けをつくり、その排水路を前川につなぎ、水路の水を抜く時には前川に流せるようになっていました。(別項№53)  
   水路の設置と一緒に川の改修もなされた様ですが、私の知っている限りでは水が抜かれたことはありませんでした。 
   その後、東村山浄水場の設置工事で水路も改修され古い水路は廃止され開渠は埋めたてられ役割は終えていますが、旧水路から流れてくる水が今でもかなりの水量で前川に流入しています。 ただ、これが地下水か村山貯水池から漏れた水かはわかりません。(2010.06.07記)